JOURNAL OF PALLIATIVE MEDICINEの「Top Ten Tips」から、
緩和ケアの学び方のヒントになれば〜〜〜って気持ちで紹介します。
ご家族との面談って難しいなぁ
こんなふうに感じている若手の先生にも参考になる内容です。
Family Meeting?
この言葉を初めて聞いたのは、私が家庭医療の研修施設に出向していた時でした。
在宅での療養を検討している本人と、不安を抱えるご家族という、
よくある状況をみんなで話し合う。
そんな話し合いを、family meetingと呼んでいます。
この論文の冒頭は次のような言葉があります。
今回はfamily meetingのことを「家族との面談」と訳してみます。
The family meeting is an essential component of effective palliative care; however, medical students and junior doctors-in-training often consider leading a family meeting to be a daunting task.
「家族との面談」は質の高い緩和ケアに不可欠な要素ですが、しばしば医学生や研修中の若手医師は「家族との面談」を導くことが難しいと考えている。
(J Palliat Med . 2021 Feb;24(2):267-272. doi: 10.1089/jpm.2020.0687. Epub 2020 Dec 11.より引用/意訳)
コツを頑張って訳してみた!
さて、こんな「家族との面談」を指導する上で重要な10のコツは以下の通りです!
- Seek to Integrate PC Education Into Preexisting Curricula to Provide Learners with a Basic Fund of Knowledge of PC Communication Skills
緩和ケア(PC)教育を既存のカリキュラムに統合し、PCコミュニケーションスキルの基礎知識を学習者に提供する - Supplement Your Didactic Teaching with Experiential Learning Opportunities So Your Learners Can Practice Their New Skill Set
学習機会に合わせて教訓的なアドバイスを提供し、学習者が新しいスキルセットを実践できるようにする - Incorporate Creative or Unconventional Teaching Methods to Help Trainees Recognize Their Own Values and Biases
受講者が自分の価値観や偏見を認識できるよう、創造的で型破りな教授法を取り入れる - Choose a Nonconfrontational Learning Environment So That You Can Give Your Learner Feedback That Will Help Them Grow
学習者の成長に役立つフィードバックをするために、守られた学習環境を整える - Interdisciplinary Educational Teams Are a Valuable Tool and Should Be Used As Often As Possible
多分野の教育チームは貴重なツールであり、できるだけ頻繁に使用すべきである。 - Teach Trainees to Ask About Cultural and Religious Beliefs and Practices That May Have Implications for Care
ケアに関連する、文化的、宗教的な信念や慣習について尋ねることを研修生に教える - Encourage Learners to Reflect on Their Own Feelings Before and After Conducting a Family Meeting
家族との面談を行う前と後で、自分の気持ちを振り返るように指導する - Provide Learning Anchors as a Framework for Learners to Recall Critical Elements on How to Conduct a Meeting or Give Bad News
学習者が会議の進め方や悪い知らせの伝え方に関する重要な要素を思い出すため、学習アンカーとしてのフレームワークを提供する - Remember to Debrief with Trainees After the Family Meeting and Provide Both Reinforcing and Corrective Feedback
家族会議の後は、受講者と一緒に振り返りを行い、強化的なフィードバックと修正的なフィードバックの両方を提供することを忘れない - Use Assessment Tools to Track Your Learners’ Progress and Identify Areas for Them to Improve
評価ツールを使って学習者の進歩を把握し、改善すべき点を明らかにする
(J Palliat Med . 2021 Feb;24(2):267-272. doi: 10.1089/jpm.2020.0687. Epub 2020 Dec 11.より引用/意訳)
一つ一つ大切なコツですね
印象深かったものはありましたか?
面談のスキルは緩和ケア実践の根幹である!
緩和ケアというと、痛みを和らげる!といった、
身体症状や薬物療法のイメージが強いかもしれません。
もちろん、それらも大切なのですが、
コミュニケーションスキルを基盤とした、
ケアにつながる面談も合わせて大切です。
WAGIの施設ではどうしてる?
ローテートしてくれる先生方の研修目標としても、
面談やコミュニケーションについて学びたいと言ってくれる人は多いです。
やってることはこんな感じかなあ・・・
どうでしょう?
いくつかのコツを組み合わせた研修をしてもらってますね
あとは、参考図書も紹介しておきましょう。
お勧めしているのはこの辺の本ですね。
まとめ
今回は「Top Ten Tips」シリーズを紹介しました。
また時々紹介させてください。
(アイキャッチ 画像:PAKUTASOより引用)