JOURNAL OF PALLIATIVE MEDICINEの「Top Ten Tips」という、
WAGIの好きなシリーズから紹介です!
救急とかICUの緩和ケアって最近きくけど、
何すればいいんだろう?
って思いません?
米国と日本の救急外来の状況は色々違いがあるんでしょうが、
まずは読んで考える!のが大事かなと思いますので、
紹介です〜
こちらの文献になります!
救急なのに緩和ケア?
なんで救急なのに緩和ケアが必要なの?と思われた方もいるかもしれません。
実は救急外来、緩和ケアニーズがめちゃくちゃあるんです。
この論文で紹介されている、
緩和ケアコンサルテーションが必要な状況を紹介しましょう。
入院する患者
- 予後が悪くケアの目標を議論する必要がある
- 倫理的ジレンマ
- 患者、家族、医療チームへの支援が必要
- 複雑な症状緩和が必要
- 地域・外来からのケアの継続性を保つ必要がある
帰宅予定の患者
- 症状緩和
- 地域・外来の緩和ケア機能につなぐ
- ホスピスへの新たな紹介が必要
入院・帰宅が決まっていない患者
- コードの確認する、もしくは、見直す
- 代理意思決定者およびアドバンス・ディレクティブが明確でない
- 緩和ケアにおける現時点の介入を評価する
- 以前ホスピスサービスを利用していた/今後のケアの目標が不明
(J Palliat Med 2019 Dec;22(12):1597-1602. より引用/意訳)
コツを頑張って訳してみた!
というわけで、今回の10のコツです!
- Disposition is paramount, and time pressures often force care decisions to be made within minutes
方針の決定は重要で、時間的な制約から数分以内にケアの決定をする必要があることが多い - Clarify the ED consult question to understand how your assistance could affect disposition
救急外来からの相談内容を明確にして、緩和ケア的な支援がどのように方針の決定に影響するか理解する - Clearly communicate expectation of availability to build sustainable workflows
持続可能な業務上の連携を確立するために、互いの期待することや応えられることを明確にする。 - Hospice patients require thoughtful consideration beyond algorithmic care pathways
ホスピスサービスを利用している患者には、アルゴリズムを超えたケアを熟慮する必要がある - Phrase your recommendations succinctly using ‘‘If/Then’’ statements
推奨は明確に、曖昧さを排除した指示として言語化する - You are not the (only) face of PC
救急医の中には、普段、救急外来でやりとりしない人からの推奨を受けることにためらう人もいるかもしれない。緩和ケアチームのリーダーは信頼関係を気づくことが重要である - Advance Care Planning documents usually serve as conversation starters and not solitary endpoints
アドバンス・ケア・プランニングの記録は孤独な最後ではなく、会話のきっかけになりうるものである - Resuscitative momentum begins prehospital and therefore EMS interventions must be the first response
蘇生は病院前からスタートしており、救急隊への介入は重要である - Automated protocols cognitively Off-Load busy ED staff and standardize palliative practice
自動化されたプロトコルは多忙な救急隊員の負担を軽減し、緩和ケアの実践を標準化する - Sustainable PC in the ED hinges upon elevating internal champions
救急での緩和ケアを安定して行うために、一緒に成功体験を積む
(J Palliat Med 2019 Dec;22(12):1597-1602. より引用/意訳)
これ、かなり意訳してるんで、間違ってないかご自身でもみてくださいね〜
WAGIの一番重要と思ったポイントは、
救急外来の診療・時間軸を意識する
といったところですかね〜
もっと学びたい人へ!
関連記事と書籍を紹介しますね〜
救急・集中ケアにおける終末期看護プラクティスガイド|緩和ケアに役立つあれやこれ〜緩和ケアの学び方ソムリエが送る耳より情報〜
看護師向けの本も読むんですか?と時々聞かれますが、 読みます! もちろん、全部でもないし、流し読みも多いですが。 特に色々な施設の方と話していて、 「救急・集中ケアの緩和ケアで、看護師はどう言ったことを取り組むべきですか?」 なんて質問をされることがあります。 私がアドバイスできることでもないのですが、 一緒に考えるのも大切かなと思って、時々、ヒントを探る気持ちで、 看護師向けの本も読みます。 そこでオススメしたいのがこの本です! 読んで字の如くなのですが、 救急・集中治療領域の緩和ケアに従事する看護師向けの本です。 となりがちなこの分野、要素を整理して、 それぞれ具体的に解説があります。 それぞれの要素はこちら! こうやって、概念的なものを、 要素に分けて整理するのは理解する上ですごく大切ですね。 マネジメントに関心の高いWAGIにとって、 組織体制整備の項目は特に勉強になりました。 急性期医療に関わる看護師はもちろん、 緩和ケアチームの看護師、認定看護師、専門看護師も 是非読んで欲しいですね。 看護の分野って、WAGIにとっては、 やっていることや、アセスメントを言語化するのが非常に難しく感じます 。 こう言った本を読むと、 みたいな発見があるんですよね〜 救急・集中治療の緩和ケアを実践および研究する方にとって、 共通言語となる本だと思います。 まだまだこれから!取り組む施設も多いと思いますので、 多職種で読んでみるのも良いでしょうね。
救急・集中治療領域における緩和ケア 監修=氏家良人 編集=木澤義之|緩和ケアに役立つあれやこれ〜緩和ケアの学び方ソムリエが送る耳より情報〜
救急・集中治療なのになぜ緩和ケアなの? 何度聞かれたことでしょうか・・・。 緩和ケアはがん患者の、しかもかなり死が差し迫った方へのケアというイメージが依然として強いのですね。 一方、救急医療や集中治療の現場では苦痛や苦悩はないのでしょうか? もちろんそんなことはありません。 私は救急での勤務もしますが、事故や持病の悪化により切迫した状況で来院される患者をみると、 …