オススメの本

もしも「死にたい」と言われたら 自殺リスクの評価と対応 松本俊彦

緩和ケアに限った話題ではないのですが、

「死にたい」と誰かに告げる方を経験します。

そして、実際に辛い選択をしそう、

もしくはしてしまった方を、

WAGI自身も特に救急医療の現場で経験してきました。

WAGI

医療者にとっても難しい、自殺の問題・・・

どうすればいいんでしょう。

勉強してみたので、紹介します。

どんな本?

近年では、薬物依存領域でメディアでもよくお見かけする、

松本先生の本です。

WAGI

以前、日本緩和医療学会の教育セミナーでもお話しいただきました〜

めちゃくちゃわかりやすかったですよ!

松本先生は日本精神神経学会でも、

一般の方向けにこのような発信をされています。

松本俊彦先生に「薬物依存症」を訊く|公益社団法人 日本精神神経学会

かつて「薬物中毒」という用語が薬物依存症と同義の言葉として用いられた時代がありましたが、いまは用いられなくなっています。その理由は正しくないからです。「中毒」というのは、文字通り「毒(=薬物)が体の中にある状態」を指していますが、この状態は「解毒(毒を体外に出す)」すれば、薬物による心身に対する弊害は消失し、治療はおしまいとなるはずです。 …

どんな人にオススメ?

緩和ケア領域に限らず、自殺に関連した知識を持つことは、

医療者、対人援助者にとっては、

本当に大切なことです。

もちろん読んでもらいたいのですが、

研究なども含めた内容をしっかり記載されてますので、

読むのにちょっとパワーが必要ですかね〜

WAGI

読みやすいところや、臨床で経験した話題などを中心に、

まずは読んでみるのがオススメです。

勉強になったことは?

精神科医ではないWAGIにとっては、

リスク評価は非常に大切に思われました。

古典的な危険因子を紹介しましょう。

The SAD PERSONS scale:7項目以上は自殺リスクが非常に高い
  • Sex:性別、男性であること
  • Age:高齢者、もしくは思春期年代であること
  • Depression:うつ病の存在
  • Previous attempt:自殺企図の既往
  • Ethanol:アルコール乱用の存在
  • Rational thinking loss:合理的な思考の障害(精神病症状や極度の心理的視野狭窄)
  • Social support deficit:社会的支援の欠如
  • Organized plan:具体的な自殺の計画
  • No spouse:配偶者がいない
  • Sickness:身体疾患に罹患していること

こういったリスク因子や、危機的介入をきちんと勉強したい方には、

非常にオススメの本です。

WAGIの心に残った言葉を紹介します。

深刻な自殺念慮ほど隠される傾向がある

そっかぁ・・・

WAGI

うすうす思ってたけど、

やっぱり難しいですね・・・

編集長の独断評価(5段階)

  • 初心者向け:★★☆
  • 臨床向け :★★
  • 研究向け :★★
  • 教養度  :★★
  • コスパ  :★★

まとめ

なかなか難しい話題について、

勉強する本を紹介しました。

緩和ケア領域に限らない、

重要な話題なので、皆さんのオススメの本も教えてくださいね〜

松本先生の本は、こちらもオススメです。

またどこかのタイミングでレビューするつもりです。