レジデントの鉄則シリーズって知ってますか?
私は内科系の専攻医だったのでお馴染みですが、一番有名なのがこの本でしょうか。
医学書院の伝統ある鉄則シリーズに、緩和ケアの鉄則が加わった形になります。
臨床で遭遇する様々な「状況」に即した、知っておくべき知識などを元に解説されています。
今回紹介する本は、この緩和ケアバージョンです。
この本の数年前にでた、緩和ケアレジデントマニュアルを手にした方が、
より実践を意識した学びができるように意識して作られています。
どんな本?
緩和ケア診療における「鉄則」を紹介しています。一部内容を抜粋すると以下の通りです。
- 全身の疼痛:あちこちが痛いと言っています
- 倦怠感:シンドイです、だるいです
- 出血:血が止まりません
- 落ち着かない:身の置きどころがない様子です
- 死亡徴候の説明:そろそろ遠くに住む息子を読んだ方がいいでしょうか?
- 余命:私はあとどのくらい生きられるのでしょうか?
いかがですか?こう言った緩和ケアの実践でしばしば遭遇する状況に対して、
周辺知識や各著者の実践を通じた工夫が散りばめられています。
どんな人にお勧め?
緩和ケアを学び始めた初学者、緩和ケアを必要とする患者を担当する若手医療者の皆さんにお勧めです。
知識を実践に応用する際は、こういった状況に合わせて対応を整理するのは重要だと思います。
ある程度経験を積んだ方にとっても、知識を整理したり、教育する際の資料として良いと思います。
あなたの「こんなとき、どうする?」という疑問に答えてくれる一冊かと思います。
勉強になったことは?
初学者向けの本なので、比較的よくある状況に対するアプロートをまとめた本です。
私が勉強になったのは、ここ最近のガイドラインや文献を踏まえて、各状況に対するアプローチが提示されている点でしょうか。
自分の診療を見直すきっかけとなりました。
編集長の独断評価(5段階)
- 初心者向け:★★★★★
- 臨床向け :★★★★★
- 研究向け :★☆☆☆☆
- 教養度 :★☆☆☆☆
- コスパ :★★★☆☆
まとめ
緩和ケアの初学者、緩和ケアの臨床に関わる方には是非手にとって欲しい本ですね。
緩和ケアレジデントマニュアルと合わせて、必須アイテムでしょう。