サイコオンコロジーという分野があります。
日本語でいうと、精神腫瘍と言います。
腫瘍分野の精神・心理的な問題を扱う分野です。
当然、緩和ケアでは非常に重要ですね。
がん患者の精神症状への対応を学ぶ上で、
ぴったりの本を紹介します!
どんな本?
当然のことながら、がん患者の精神症状に対するアプローチがいろいろ学べる本なのですが、
この本には初学者に特にお勧めしたい特徴があります。
それは、
- 多職種でのアプローチを具体的に紹介
- 家族への対応を随所にコメント
- 精神科医へのコンサルトのタイミング
どうですか?
疾患や症状、薬の医学的知識だけに止まらないんです。
非常に実践的な本ですね。
どんな人にオススメ?
緩和ケアの勉強初心者に是非オススメです。
抗精神病薬など、それぞれの薬剤の知識も身につきますし、
やっぱり症例ベースのパートがある点もわかりやすい理由でしょうね。
勉強になったことは?
わたしが「なるほど〜」と思ったのは、帯に書いてある七箇条ですね。
- 正しい治療は正しいアセスメントがあってこそ。症状を注意深く観察しよう!
- 精神症状≠精神疾患。身体疾患にゃ薬剤の影響も考えて背景を探ろう!
- 精神症状は多彩な変化を示す。多職種の視点でアプローチしよう!
- 何でも薬、ではない。まずは非薬物療法の可能性を探ってみよう!
- 向精神薬は基本を理解すればこわくない。各薬剤の特徴と使う場面を知ろう!
- 少量からスタートが向精神薬の基本。見通しを決めて、効果・副作用は必ず評価しよう!
- 苦しむがん患者に向精神薬の副作用はあまりに酷。投与後の評価は必ずしよう!
この7箇条は本当に大切です。
これを心がけるだけで、
診療の質がかなり高まると思います。
編集長の独断評価(5段階)
- 初心者向け:★★★★★
- 臨床向け :★★★★★
- 研究向け :★☆☆☆☆
- 教養度 :★☆☆☆☆
- コスパ :★★★☆☆
まとめ
緩和ケアの実践で避けては通れない、
精神症状への対処について、初心者にぴったりのこの本。
緩和ケアの勉強をこれから始める方全てにオススメです。
この分野の薬も増えたので、アップデートにも期待です!