オススメの本

がん患者の精神症状はこう診る向精神病薬はこう使う 精神腫瘍医のアプローチが25ケースでわかる 上村恵一/小川朝生/谷向仁/船越英樹

サイコオンコロジーという分野があります。

日本語でいうと、精神腫瘍と言います。

腫瘍分野の精神・心理的な問題を扱う分野です。

当然、緩和ケアでは非常に重要ですね。

WAGI

がん患者の精神症状への対応を学ぶ上で、

ぴったりの本を紹介します!

どんな本?

当然のことながら、がん患者の精神症状に対するアプローチがいろいろ学べる本なのですが、

この本には初学者に特にお勧めしたい特徴があります。

それは、

  • 多職種でのアプローチを具体的に紹介
  • 家族への対応を随所にコメント
  • 精神科医へのコンサルトのタイミング

どうですか?

疾患や症状、薬の医学的知識だけに止まらないんです。

非常に実践的な本ですね。

どんな人にオススメ?

緩和ケアの勉強初心者に是非オススメです。

抗精神病薬など、それぞれの薬剤の知識も身につきますし、

やっぱり症例ベースのパートがある点もわかりやすい理由でしょうね。

勉強になったことは?

わたしが「なるほど〜」と思ったのは、帯に書いてある七箇条ですね。

がん患者の精神症状に関わる際の7箇条
  1. 正しい治療は正しいアセスメントがあってこそ。症状を注意深く観察しよう!
  2. 精神症状≠精神疾患。身体疾患にゃ薬剤の影響も考えて背景を探ろう!
  3. 精神症状は多彩な変化を示す。多職種の視点でアプローチしよう!
  4. 何でも薬、ではない。まずは非薬物療法の可能性を探ってみよう!
  5. 向精神薬は基本を理解すればこわくない。各薬剤の特徴と使う場面を知ろう!
  6. 少量からスタートが向精神薬の基本。見通しを決めて、効果・副作用は必ず評価しよう!
  7. 苦しむがん患者に向精神薬の副作用はあまりに酷。投与後の評価は必ずしよう!

この7箇条は本当に大切です。

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これを心がけるだけで、

診療の質がかなり高まると思います。

編集長の独断評価(5段階)

  • 初心者向け:★
  • 臨床向け :
  • 研究向け :★☆
  • 教養度  :★
  • コスパ  :★

まとめ

緩和ケアの実践で避けては通れない、

精神症状への対処について、初心者にぴったりのこの本。

緩和ケアの勉強をこれから始める方全てにオススメです。

この分野の薬も増えたので、アップデートにも期待です!