オススメの本

非がん患者の緩和ケア 編集:松田能宣、山口崇

緩和ケアと言えばがん患者へのケアのイメージが強いのですが、

近年は非がん疾患への緩和ケアも盛り上がってきました。

とはいえ、現状はそれぞれの現場で手探りな状況なのではないでしょうか?

WAGI先生

「非がん患者」って一言で言うけど、いろんな疾患があって、

知識の整理が出来ないんですよね。

なんて声も聞こえてきそうです。

そんなあなたはこの本を読んでみましょう!

どんな本?

非がん疾患の代表的な疾患に対する緩和ケアを、各疾患のエキスパートたちが解説してくれいている本です。

各パートが以下の構成になっています。

  • 疾患概念と疫学
  • 原疾患に対する評価
  • 原疾患に対する標準治療
  • 症状緩和
  • 予後とアドバンス・ケア・プランニング
  • 各疾患のソーシャルサポート

これだけの多様な疾患に対して、理解の枠組みを提供してくれているので、

非常に理解が整理されますね。

WAGI先生

学ぶべきことがすっきり整理されたね〜

どんな人にお勧め?

特定の疾患に限らず、非がん患者の緩和ケアに関わる方にお勧めです。

診療シーンとしては、プライマリ・ケア訪問診療を支える医療者の方にとって、

非常に実践的な内容になっています。

勉強になったことは?

この本の構成で一番ユニークなのは、

「各疾患のソーシャルサポート」について明記されている点でしょう!

例えば、「心不全」であれば、心不全患者における介護や療養の問題に対する社会資源として、

介護保険、障害福祉サービスの対象者/心不全における問題点/工夫できる点などが整理されています。

こういった社会資源の切り口から緩和ケアアプローチを整理した本はあまりないと思います。

編集長の独断評価(5段階)

  • 初心者向け:★★★★☆
  • 臨床向け :★★★★☆
  • 研究向け :★☆☆☆☆
  • 教養度  :★☆☆☆☆
  • コスパ  :★★★★☆

まとめ

高齢者の多い我が国の診療においては、多くの医療者が非がんの緩和ケアに関わると思います。

非がんの緩和ケアを幅広く学びたい方の最初の1冊に最適な本です。