いや〜、もう私が紹介するのもおこがましいというか・・・
緩和ケア領域の研究をしたいなら、、、
黙って読め
という1冊です。
どんな本?
緩和ケア研究の第一人者である森田先生の本ですね。
緩和ケアの研究って、研究手法が独特だと思います。
質的研究や質問紙調査なんかも多いですしね。
そんな緩和ケア領域でメジャーな研究分野やその手法について紹介されています。
- アンケートを1回やって対象者の体験を明らかにしたい
- アンケートで比較をしたい/○○な人は××な傾向があることを示したい
- 治療を受けた前後を観察して、効果があった(らしい)ことを示したい
- 対象を前向きに一定期間観察して、○○は××に関係することを示したい
- 新しいプロジェクトをした結果を伝えたい
- 何かのイベントが起こることを予測するツールを作って、予想が当たることを示したい
- ○○を測る尺度を作りたい
- 定義のはっきりしていないことをみんなで話し合って、統一した定義を提案したい
- どちらの治療がより効果があるのかをちゃんと示したい
このリストをみているだけど、
緩和ケアもいろんな研究があるんだなあ〜〜〜
って感じますね。
どんな人にオススメ?
緩和ケア領域の研究をしたい人は必須の本でしょう。
前述の主なトピックが気になる方は是非手にとってみましょう!
緩和医療専門医の取得を目指す方は、
論文を書くための勉強としても最適な本ですよ
緩和医療専門医取得の最大の難所は、、、論文執筆なんですよね。
症例報告もしくは原著論文になるのですが、
これがなかなか苦戦している人の多い要件です。
ちなみに、日本緩和医療学会では研究活動や論文執筆を志す方向けに、
以下のような動画配信を定期的に取り組んでいます。
この機会に紹介させていただきました。
勉強になったことは?
緩和ケア分野の研究は、患者の主観的な症状や、遺族に対する調査など、
一般的な臨床研究の本を読んだだけだと「どうやって研究すれば良いかわからない」
となってしまいがちです。
この本を読むことで、森田先生が緩和ケア領域で取り組んできた研究を例に、
開発してきた研究手法とその背景が書かれています。
本当に患者・家族に役に立つ研究というのは、
こう言った取り組みなのだなという学びになりました。
編集長の独断評価(5段階)
- 初心者向け:★☆☆☆☆
- 臨床向け :★★☆☆☆
- 研究向け :★★★★★
- 教養度 :★★★☆☆
- コスパ :★★★☆☆
まとめ
緩和ケアの研究をするには必須の1冊です。
繰り返しますが、「黙って読め」レベルです。