オススメの本

もやもやした臨床の疑問を研究するための本 森田達也

いや〜、もう私が紹介するのもおこがましいというか・・・

緩和ケア領域の研究をしたいなら、、、

WAGI

黙って読め

という1冊です。

どんな本?

緩和ケア研究の第一人者である森田先生の本ですね。

緩和ケアの研究って、研究手法が独特だと思います。

質的研究や質問紙調査なんかも多いですしね。

そんな緩和ケア領域でメジャーな研究分野やその手法について紹介されています。

主なトピック:このタイプの研究はこう進める
  1. アンケートを1回やって対象者の体験を明らかにしたい
  2. アンケートで比較をしたい/○○な人は××な傾向があることを示したい
  3. 治療を受けた前後を観察して、効果があった(らしい)ことを示したい
  4. 対象を前向きに一定期間観察して、○○は××に関係することを示したい
  5. 新しいプロジェクトをした結果を伝えたい
  6. 何かのイベントが起こることを予測するツールを作って、予想が当たることを示したい
  7. ○○を測る尺度を作りたい
  8. 定義のはっきりしていないことをみんなで話し合って、統一した定義を提案したい
  9. どちらの治療がより効果があるのかをちゃんと示したい

このリストをみているだけど、

WAGI

緩和ケアもいろんな研究があるんだなあ〜〜〜

って感じますね。

どんな人にオススメ?

緩和ケア領域の研究をしたい人は必須の本でしょう。

前述の主なトピックが気になる方は是非手にとってみましょう!

WAGI

緩和医療専門医の取得を目指す方は、

論文を書くための勉強としても最適な本ですよ

緩和医療専門医取得の最大の難所は、、、論文執筆なんですよね。

症例報告もしくは原著論文になるのですが、

これがなかなか苦戦している人の多い要件です。

ちなみに、日本緩和医療学会では研究活動や論文執筆を志す方向けに、

以下のような動画配信を定期的に取り組んでいます。

出血を繰り返す患者への緩和ケア Channel PCR 第0回 Web抄読会

出血を繰り返す患者に、緩和ケアとしてどのような薬物療法があるのか、独創的な視点から治療を行った方法を紹介します。著者の方と編集者とのやり取りをご覧下さい。第0回 2020年7月5日 日曜日 9:00-10:00担当委員 新城 拓也 (2020年7月まで副委員長)出演 古田弥生先生 (著者)1) PCR古田 弥生,…

この機会に紹介させていただきました。

勉強になったことは?

緩和ケア分野の研究は、患者の主観的な症状や、遺族に対する調査など、

一般的な臨床研究の本を読んだだけだと「どうやって研究すれば良いかわからない」

となってしまいがちです。

この本を読むことで、森田先生が緩和ケア領域で取り組んできた研究を例に、

開発してきた研究手法とその背景が書かれています。

本当に患者・家族に役に立つ研究というのは、

こう言った取り組みなのだなという学びになりました。

編集長の独断評価(5段階)

  • 初心者向け:★☆☆☆
  • 臨床向け :★☆☆☆
  • 研究向け :
  • 教養度  :★★★☆
  • コスパ  :★☆☆

まとめ

緩和ケアの研究をするには必須の1冊です。

繰り返しますが、「黙って読め」レベルです。