救急・集中治療なのになぜ緩和ケアなの?
何度聞かれたことでしょうか・・・。
緩和ケアはがん患者の、しかもかなり死が差し迫った方へのケアという
イメージが依然として強いのですね。
一方、救急医療や集中治療の現場では苦痛や苦悩はないのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
私は救急での勤務もしますが、事故や持病の悪化により切迫した状況で来院される患者をみると、
「救急にも緩和ケアは必要だなあ」と強く思います。
どんな本?
救急や集中治療にも緩和ケアは大切!と思っても、
日本の医療現場の実情にあった緩和ケアを学ぶコンテンツはありませんでした。
そのころ、後輩が立ち上げた「救急×緩和ケアセミナー」の活動をしていた頃でもありました。
そんな経緯もあり、神戸大学伊賀後部附属病院緩和支持治療科の
木澤義之先生からお声かけいただき、
企画段階から関わらせていただいたのがこの本です。
執筆陣がとことんこだわったのは、
エビデンスがはっきりしないことも含めて、
現在の日本の救急・集中治療の医療現場での
緩和ケアの実践の指針となるような本にする!
ということでした。
できるだけ具体的な症例や状況を例示し、
そのような状況への対応について示しています。
どんな人にオススメ?
救急医療に関わるすべての医療者にお勧めです。
また、これからは専門的緩和ケアを提供する人も、
より急性期医療に関わることが求められるでしょう。
この領域の知識の整理という意味でも、
読んでみてはいかがでしょうか?
勉強になったことは?
救急・集中治療の緩和ケアは、
これから日本の実情に沿った形が議論されるのだと思います。
その際は身体症状の緩和のみでなく、
急性期医療の現場に即したコミュニケーションのあり方や、
法的な整備の必要性、そして国民レベルでの議論なども含め
取り組むべきということが理解できると思います。
編集長の独断評価(5段階)
- 初心者向け:★★★★☆
- 臨床向け :★★★★★
- 研究向け :★☆☆☆☆
- 教養度 :★★☆☆☆
- コスパ :★★★★☆
まとめ
救急・集中治療に関わる医療者は一度は読んでみましょう!