臨床をしていると、きちんと緩和ケアをしているつもりでも、
なかなか苦痛が緩和しない患者さんも経験しますよね。
そんなとき、
自分は本当にきちんとできているんだろうか
なんて気持ちになりますよね。
近くに「きちんとできているよ」と言ってくれて、
さらに、「もう一工夫」を提案してくれる指導医がいれば、
めちゃくちゃいいですが、指導者不足の緩和ケア業界・・・
そうはいかないのが辛いところ。
そんなあなたにぴったりの本を紹介します。
どんな本?
まさしくタイトルの通り、
「ひととおりのことをやっても苦痛が緩和しない時」に
手にとって欲しい本ですね。
- 1章:痛みが取りきれない時
- 2章:せん妄が取りきれない時
- 3章:呼吸困難が取りきれない時
- 4章:悪心嘔吐が取りきれない時
いや〜、確かにどれもてこずる症状ですよね。
しかもこの本の著者は、あの、森田先生です!
日本の緩和ケアの第一人者である森田先生が、
ここまでやってみよう!次の一手はこんなのあるよ!
って教えてくれてるような本です。
どんな人にオススメ?
緩和ケアを実践すると必ず遭遇する場面ですので、
そういった難しいケースを担当する方はぜひ読んでみましょう!
かる〜いタッチの文章なので、
初期研修医や経験の浅い看護師さんにもオススメです!
勉強になったことは?
この本、WAGIが最も読むのは、
各章に散りばめられた、
難治性でないはずの呼吸困難 ー理由を見つけて対処するー
という、「実は難治性ではない症状」への対応のパートです。
緩和できる症状をきちんと対応することは、
患者さんにとっても重要ですし、
「きちんと対応できている」と思えることは、
緩和ケアスタッフにとってもとても大切です。
編集長の独断評価(5段階)
- 初心者向け:★★★☆☆
- 臨床向け :★★★★★
- 研究向け :★★★☆☆
- 教養度 :★★☆☆☆
- コスパ :★★★★☆
まとめ
緩和ケアの実践の現場では必ず必要になる本を紹介しました。
また、臨床現場のできることと、まだまだ対処が難しいところの、
境界線を理解することは臨床研究をする上でも重要です。
幅広くオススメできる1冊ですね。