今日はちょっと難しいトピックです。
Time-Limited Trial(以下、TLT)って聞いたことありますか?
救急や集中治療領域の緩和ケアではよく出てくる概念です
最近、意外と知られていないことを知る機会があり、
私も復習を兼ねてFast Factsに聞いてみました!
FAST FACTs #401 Time-Limited Trials for Serious Illnessからです。
背景
緩和ケアの実践で予後予測は非常に重要です。
特に、
この治療を提供して、改善するのかしないのか・・・
事前に予想するのは難しい。。。
そうなんです。
許容できる負担の範囲で、治療可能なら治療したい・・・
でも、改善がそもそも難しいなら差し控えたほうが良いだろう
そんな「その治療で改善が難しい」が事前にわかれば良いんですが、
それを前もって予測するのは、
現状不可能なんですよね
そんなときに検討するのが、
TLTになります。
Time-Limited Trial(TLT)って?
FAST FACTsでは、
An agreement between clinicians and a patient/family to use certain medical therapies over a defined period to see if the patient improves or deteriorates according to prespecified clinical outcomes.
臨床家と患者や家族との間で、決められた期間に特定の治療を行い、事前に規定された結果に基づいて患者さんが改善するか悪化するかを確認する合意
と説明されています。
ちょっと日本語がわかりにくいですかね。。。
もし改善傾向にあれば、治療を継続。
逆に、悪化したり、
状態を維持することが難しいと判断した場合、
治療目標の再検討をし、
多くの場合は
苦痛を軽減することを中心とした対応となります。
- 重度の脳卒中後の人工呼吸
- 機能障害のある患者の透析
- 敗血症から回復した 錯乱状態の患者の栄養管理
こういった悩ましい治療介入について、
一定期間、トライしてみて再評価するアプローチです
まとめ
TLTの概要について、お伝えしました。
ちょっと長くなったので、続きは次回にしましょう〜
このあたり、こちらの本にも書いてありますので、
参考にされてください。
(アイキャッチ 画像:PACUTASOより引用)