がん診療で時々経験する相談で、
子供がまだ小さいんですが、
どのように伝えるべきか、
患者さんが悩んでます
と相談を受けることがあります。
難しいですよね・・・
自分に置き換えても・・・なかなか辛い話題です
だからこそ、改めて勉強せねばと思って、
FAST FACTsに聞いてみました。
FAST FACTs #47 What do I Tell the Children? からです。
1. 気づくこととスクリーニング
まずは気づくことが大切というメッセージ。
確かに
お子さんにはどのようにお話されてるんですか?
とお尋ねして初めて、
お子さんへの伝え方に悩んでたなんてことが分かることも経験します。
FAST FACTs的には以下の5つを聞きましょうというアドバイスです。
- 病気の人の家に子供がいるかどうかを尋ねる
年齢、性格、対処の仕方などを尋ねる - 子どもたちに病気のことをどう話したかを尋ねる
- 子供についての具体的な心配事があるかどうかを尋ねる
- 子どもが学校や家庭、人間関係で最近問題を起こしていないか尋ねる
- 心配事があるときは誰に相談したいかを尋ねる
2. いくつかの言葉を投げかける
悩みに気づいても、
なんて声かけすればよいかわからない
と感じる方も多いと思います。
少し内容を見てみましょう。
親にとって最大の悩みは、
子どもが「死んじゃうの?」と聞いてきたときに
何と答えればいいのか、ということです。
この苦悩を抱える患者(親)に対して、
以下のような言葉を用いることの提案が推奨されています。
- 「〜〜〜(病名)」が原因でなくなる人はいるけど、良くなるように医師とともにしっかりと治療に取り組むね。
- 最善のケアに取り組んでるけど、「〜〜〜(病名)」は進行してるみたい。でも毎日、生きていこうと思ってるよ。
こういったアドバイスは医療者にとっても、
負担は大きいですが・・・皆さんはいかがでしょう?
3.親へ具体的な取り組みを例示する
親に対しては以下のような取り組みを提案してみます。
- 子どもの一日に関心を持つ
- 普段の生活を維持するように努める
(例:金曜日の夕食、月曜日のピザ、一緒にテレビを見るなどの家庭のルーチンを維持する) - すべての質問を歓迎するが、議論を強要しない
答えを出す前に、本当の質問を理解しているか確認する
自分がどのように答えたいのか、時間をかけて考える - 悪い知らせをずっと聞かせるのは良くない
予後や治療法に変化があった場合には、最新情報を伝えるようにする - 子どもを混乱させるような婉曲的な表現(lump:はれもの/できもの, boo-boo:軽いキズ, sickness:風邪、など)は避ける
- 子どもが一人で悩まないように、自分が考えていることを話したり、
人へ尋ねるよう促す - 病気の人を訪問する準備をする
何を見ることになるかを説明する
子どもが希望する時間だけ滞在できるように、大人をもう一人連れてくる
子どもが親に絵やメッセージを残せるように、マーカーと紙を持参する - 子供の担任の先生やガイダンスカウンセラーに相談し、先生方に配慮をお願いする
子供が心配事を話していたら親に知らせるように、先生や子供の友達の親に頼む
4.このテーマに関連した一般的な本を親に紹介する
最近はこういった分野の本も増えてきました。
緩和ケアに係る方は、普段からこういった本などを探しておくと良いですね。
5.病院や地域にある親と子供のためのリソースを知る
日本の環境だとどういったものが考えられますかねぇ。
児童福祉などで活動されている方に、
尋ねてみるのも良いかもしれません
6.子供の支援やメンタルヘルスの専門家に相談する
以下のような場合には専門家への相談を検討する。
- 学校や家庭、仲間との関係に支障をきたす抑うつや不安の症状がある
- リスクをとる行動(具体的にはどんなのでしょう?)
- 子どもと生存している親との間に著しい不和がある場合
- 両親の間に大きな不和がある
- 子どもが、家族以外の人と話したいと言っている
まとめ
難しい対応の一つである、
子供への伝え方や支援について、
FAST FACTsに聞いてみました。
また別の資料なども見てみたいと思います。
(アイキャッチ 画像:PACUTASOより引用)