臨床上、時々悩まされる、
そして、医療用麻薬に関連した患者さんの不安である、
依存についてFAST FACTsに聞いてみています。
前回の続きで、依存のアセスメントについてです。
FAST FACTs #68 Is it Pain or Addiction?
からになります。
正しく理解することが、
処方する人の責任でもあります
依存症(薬物乱用)の評価
依存症にもいくつか種類があって、
ネットで検索すると、アルコール依存に関連したものが多く出ますね。
ここ数年、厚生労働省もかかわり、アルコール依存対策が取り組まれています。
オピオイドの依存症を心配する方は多いですが、
実はアルコール依存症は大きな社会問題になっています
- 薬物使用のコントロールの喪失
- 法的、仕事、社会、家族といった生活に悪影響があるにもかかわらず使用する
- 薬物を求める行動の兆候(薬の紛失/盗難の報告、高額な薬の要求)
- 信頼できない薬物服用行動(頻繁に余分な量を服用する、処方通りに薬を使用しない)
- 他の薬物の乱用(現在/過去の処方薬やストリートドラッグの乱用)
- 薬物文化との接触(薬物乱用障害のある家族や友人)
- 治療計画への協力(紹介や薬物を使用しない治療法に従わない)
注意するべきなのは、この中の1つでも該当したからといって、
物質乱用障害と診断されるわけではありません。
薬物依存のリスクアセスメントのヒントという理解です
痛みの鑑別
FAST FACTsでは、痛みを訴える患者をみたら、
依存を含めた鑑別診断をするように勧められています。
鑑別診断リストはこちら!
- 身体的原因(足の骨折、坐骨神経痛、偽装中毒など)
- 心理的原因(うつ病、不安、心気症、身体化障害など)
- 精神的原因(差し迫った死、悲しみ)
- 物質乱用、二次的利益/不正行為/犯罪意図(注目を浴びたい、障害者手当が欲しい、鎮痛剤で経済的利益を得たい)
確かに、緩和ケア領域では、
痛みの原因は、たぶん、
がん疼痛でしょう
なんて飛びついてしまいがちです。
痛みの原因については依存に限らず、
慎重に判断をする姿勢は大切ですね。
まとめ
というわけで、痛みか依存か悩ましい問題について、
FAST FACTsに聞いてみました。
こちらの本はより詳しく書いてあり、オススメです。