医療用麻薬を処方する際にしばしば聞かれるのが、
麻薬なんて聞くと、
依存症になるのが不安です
医療用麻薬を適切に使用すれば、
そんなに思われているほど心配しなくて良いんですけどね。
まあ、色んな経験や情報からそう言った不安を抱いてらっしゃるんでしょうから、
まずはどういったことを気にされているのか、
気がかりをお尋ねすることからですかね
一方、医療用麻薬を適切に活用できているかを考える上で、
痛みがあるから医療用麻薬が必要
依存を形成しているから医療用麻薬を求めている
の見分けが難しいこともあります。
私もめったに遭遇しないのですが、
対応が難しいのもあって、FAST FACTsに聞いてみました。
FAST FACTs #68 Is it Pain or Addiction?
からになります。
背景
医療用麻薬の勉強では、必ず依存形成や依存リスクの評価についての記載を見かけると思います。
FAST FACTsでは、
臨床家が必要とする痛みの教育トピックは、
痛みを訴える患者と物質利用障害の患者を区別することにある
と書いてあります。
もちろん、薬物乱用に対する社会的な状況の違いなども合わせて、
関心度は違うんでしょうけどね。
評価の鍵は?
痛みを訴える患者と、物質利用障害の患者を見分けるポイントは何なのでしょう?
次の3つが示されています。
- 耐性、身体的・心理的依存の定義
- 依存症評価の構成要素
- 「痛み」という症状の鑑別診断
の3点を理解する
なるほど・・・
この定義とかがややこしいんですよね・・・
精神科領域の言葉って難しくないですか?
理解すべき言葉の定義を紹介
今日は定義を頑張って紹介します。
といっても、3つだけです!
耐性:同じ効果を得るために薬物の量を増やす必要があること。臨床現場では、有意なオピオイド耐性はまれである。 耐性は、疼痛患者や依存症患者に見られることがありますが、それだけでは依存症の診断にはならない。
身体依存:薬物を突然中止したり、拮抗薬を投与したりしたときに起こる離脱症候群が生じる。 慢性的にオピオイドを使用している患者のほとんどが、身体的依存を発症する。この依存の有無で、疼痛患者と中毒者を区別することはできない。
心理的依存(中毒):薬物の入手と使用に異常な関心を持ち、制御不能、強迫的な薬物使用、害があっても使用することを特徴とする。 研究によると、痛みの治療に使用されるオピオイドが心理的依存につながることはほとんどないと言われている。
身体依存は、長く使っている薬をいきなりやめると離脱が生じるってやつですよね。
医療用麻薬だけでなく、ベンゾジアゼピンでも生じます。
まとめ
というわけで、難しくなってきたんで、今回はこのくらいにしましょう。
まずは定義を確認する!
今日はこれが合言葉です。
関連書籍のご紹介
今回のような医療用麻薬の諸問題に関する隠れた名著である、
こちらの本を紹介します。
評価ツールなども豊富に